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ひじきのじゅうたん

皆様早いもので今日で三月も終わりですね。最近鰹いぶし小屋前の海ではちょっした異変が起こっております。
ま、ま、前が見えない!!!というのは言いすぎですが・・。
黄砂の影響で、海にもやがかかる日が続いておるのです。今までは遠くまでくっきり見渡せていたはずの太平洋が・・・。

さてさて今日はこの町の春の「風物詩」をご紹介。
皆様今日の写真が何か分かりますか?近づいてよくよく見てください。細かい大量の糸状のものがうねうねと絡んでいる・・・?
実はこれ「ひじき」なんです。そうあの海藻のひじき。
刈り取ったばかりの「ひじき」を干している光景なのです。ひじきと言えば真っ黒なものを想像されると思います。しかし、かりたてのひじきは緑と茶色をミックスしたようなこのような色合いで、ひじきの葉は水分を沢山含みぷっくらとしたかわいい見た目なのです。

いよいよこの地域の漁村では「ひじきの口開け」がはじまりました。口開けは一斉に行われるため、この日をみんな首を長ーくして待ちわびているのです。
ちなみにこの「口開け」というのは、今日からひじきを獲ってもいいですよという合図のことです。なんと口開けの日や時間までしっかり決まっているのです。
ですので口開け開始時間前の浜では、運動会の徒競走のスタートダッシュをきる選手のようにみな「今か、今か」とスタンバイしております。この地域ではわかめの刈り取りと同じ位、浜が緊張と興奮に包まれるのがこの「口開け」なのです。

そしてみなひじき漁が終わると、大量のひじきを船いっぱいに積み込み浜へと帰還します。もちろん磯から歩いてひじきの漁場まで行き刈り取りをする人もますから、そのような人たちはあの重い重いひじきを浜まで担いで帰ってくるのです。みなすごい馬力の持ち主だと、いつも感心して見ております。

刈ったばかりのひじきを浜や、堤防や家の前に干します。それもひじきを干すお家は一軒や二軒じゃありませんから、町のあちこちに「ひじきのじゅうたん」の光景が広がるのです。そして、磯のいい香りが町のあちこちでします。この磯の香りがすると、あーまた今年もこの季節がきたなと春を感じます。

皆様ぜひこの季節に、私たちの住む小さな漁村を訪れて町歩きをしてみてください。
町のあちこちに真っ黒い「ひじきのじゅうたん」の光景が広がっていますよ。右手に灯台、左手にひじきといったように面白い光景に出会えるかもしれません。

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