三重調理専門学校様 出前授業
先般、津市にあります『三重調理専門学校様』にて出前授業でお邪魔させていただきました。
三重に住んでいても、食文化の歴史を掘り下げて学ぶ機会が少ない学生様が多く、非常に興味を持っていただきました。
講座内では他にも、お出汁の試飲や、いぶし小屋名物土楽さんの土鍋で炊いた『おかかごはん』の試食
日本人のDNAに訴えかける講座に…。
今回は2年生の学生さまということもあり、進路も決まり4月からはさまざまな料理の分野で活躍されるはず…!
どうぞその時には、自分達が育った地域”御食つ国”の素晴らしい食文化の知識を携え、頑張ってください‼️
さて今回の出前授業の成果報告ではありませんが・・・皆様に出前講座の内容であったり、学生様のお声などを共有させていただけたらと思います。
(出前授業 報告書)
「みえの食」の達人による出前講座
実施概要
日程:2022年1月14日(金) 午前10:50~午後12:20
参加者:三重調理専門学校(2年コース)2年生 17名(当日欠席3名)
特別参加者:北村物産 代表取締役社長 北村 裕司様
主催:みえ食の“人財”育成プラットフォーム
共催:三重調理専門学校・まるてん有限会社
出前授業内容
■三重調理専門学校を訪れ講義(試飲や試食体験あり)
①天ぱくの鰹節(いぶし小屋紹介、手火山製法について)
②ものづくりの原点
③伊勢志摩地方の歴史文化(御食つ国の鰹節)
④おもてなしの心
⑤伝統と革新(海外とのつながり)
⑥だしの可能性
⑦鰹節を使った料理
目的
- 若い世代への伊勢志摩(御食つ国)の食を中心とした歴史文化の伝承
- 「みえの食」の将来を担う人材の育成
- 自分のふるさとを自慢できる生徒の育成
- 食材や生産者の想いまでくみ取れる人材の育成
活動結果
御食つ国の鰹節の説明、試食、試飲、質問時間の様子
・学生の多くが4月から実際に現場にでて働くため、現役で活躍している世界のトップシェフの項目に非常に関心を寄せ、熱心に聞いていた。
先生からも具体的な例を上げて頂くレクチャーの進め方はより身近に感じ良いとの評価をいただいた。
・今回の講座では2年生ということもあり、より実践に近い「節の違い」を見極めたり、それぞれの料理に適した節の選び方の説明・質問のコーナーを新たに設けた。
・鰹節含む様々な魚の節を実際に見た経験がない学生もおり、「節の違い」を見たり、触ったり、その節がどのような料理に適しているのか実践で役立つ情報を入れたことにより学生の関心がぐっと高まった。
このさまざまな節の使用用途に関しては、講座終了後も多くの生徒から個別で質問をいただいた。
・料理の技術や実践だけではなく食材の背景や歴史を知ることで、より自分のふるさとに愛着や誇りを持つきっかけづくりになると講座後改めて感じた。
(日本の食の原点でもある「神饌」が自分たちの住む三重の地で生まれたという説明などは神話の分野になるため、義務教育では習う機会がほぼないが、特に食に関する仕事に就く学生にとっては非常に重要な学びとなる)
・日本の調味料の原点の話では、まさか鰹を煮たときに出る煮汁を煮詰めたもの(堅魚煎汁(かつおいろり)が調味料の始まりであったとは知らなかったので驚いた様子であった。
多くの学生の回答は、「塩・醤油・酢など」の回答であった。
・試食では、土鍋で炊く炊き立てのご飯はもちろん手削りの鰹節を食べたことがない生徒が多く、皆「とてもおいしい」との感想を述べていた。
(五感を刺激するレクチャーはより記憶に残りやすい。)
・ある女生徒は、自宅にカンナをもっておりどのようにけずればうまく削れるのかとの質問もでた。
・またこの学びを本年だけで終わらるのではなく、引き続き三重調理専門学校様の学生様向けに
実施していただきたいとの依頼もありました。
その際は学校で講座を聞き、夏休みに実際の現場に訪れるという具体的な提案もいただきました。
(三重調理学校様の感想)
神饌・歴史について、難しい内容を分かりやすい言葉で分かりやすく
教えてくださり学生にとって大きな学びとなりました。
今までの先生のストーリとこれからの想い、スライドにはない、豆知識
(パティシエがチョコレートに使った・トマトに合う等)
話の流れなど、私自身も大変勉強になりました。
有名な料理人の名前を具体的に出してくださり
料理人を知らなくても印象に残ったと存じます。
(三重県でご活躍されてみえる、樋口料理長のお話も学生に伝わりました。)
コロナ禍で明るい話題がない中で
学生が社会に出てからの希望を発信していただき、感謝いたします。